ローポリな耳からリアル寄りな耳をモデリングしてみた
今回はローポリな耳に少しディテールを施してリアル寄りにしてみようと思います。
初めて少ないポリゴンで耳をモデリングした時は、どう頑張っても少ないポリゴンで造形を作ることができませんでした。
なので当時は仕方なく簡単な耳にして妥協。
ただ作り続けている内に自分の中で糸口が見つかったのか、比較的少ないポリゴンでリアル寄りな耳を作ることができました。
時間はかかりましたが、ようやくそれっぽいやり方ができたので記録していきます。
モデリング前
資料を集める
まずは資料を集めます。
自分の耳でも良かったのですが、まず自身で確認するのが難しいのと理想的な形じゃなかったのでネット上を漁りました。
PinterestとかGoogleとかから画像をチェックしたり、後はクリエイターなら多くの人が持っているであろう参考書の “スカルプターのための美術解剖学" でも確認。
そして画像から共通する部分を見つけて自分が理解しやすいように構造をシンプル化しました。
それにしても耳ってなんか?マークにYの字を無理やり押し込んだような形していますね。
モデリング開始
簡単な耳を形成
初めに簡単な耳を作ります。
途中までは過去記事の簡易耳の作り方と同じです。
耳の形を作って周辺に厚みを持たせてへこませたもの。
ここからさらに形状をいじってディテールを施していきます。
形状を変更する
耳自体の形状を変えていきます。
中心はあらかじめ削除しちゃいます。
赤で塗られたポリゴンを削除して緑色のポリゴンをぐいっと内側に回転して先端のポイントを結合。
Y字用の分割を加える
次にYの字の部位を作るための造形を加えます。
初めて知ったのですがどうやらY時の部位は対耳輪脚(ついじりんきゃく)というらしい。
やり方は少し複雑ですが画像のように2か所カット。
さらに弧を描くようにもう一発追加のカットを加えます。
ただ現状のこの方法には欠点というかポリゴンが少なすぎて無理な部分があります。
それはY字の先端を二又にできないことです。
何度か作り直しましたがこのローポリでは恐らくできないので、もしディテールを追い込むなら細分化した後に調節するということになりそう。
一旦このまま進めます。
面を埋める
耳の形状変更によってできた空間を埋めます。
画像の赤色で塗られているポリゴンのように面を作成。
中央部分も埋めていきます。
初めに青色で塗られた面を埋めてから赤色の面を貼っていきました。
個人的にこの流れが安定しました。
耳輪脚(じりんきゃく)と呼ばれる先端部分が短かったかも。
長さを稼ぐために赤色の面を引っ張り出して長さを調節。
後は参考資料を見ながら凹ませたり膨らませたりして耳の形を作っていきました。
押し出しで造形追加
最後に耳の穴や耳珠(じじゅ)を追加。
青色の部分は押し込んで、赤色の部分は引き出して作成しました。
結合準備
耳の調節が終わったら結合準備に入ります。
正面と横そして真上から見ながら耳の角度を調整していきます。
正面からは顔の側面に沿うように耳の角度を調節。
真上から見た時はあまり耳が立たないように鋭めに。
真横からの場合は耳をちょっとだけ後頭部側に寄せて顎のラインに沿うように角度を調整しました。(過去記事ではここができていなかった)
これで耳の角度と位置はOK。
結合と調整
結合する前に手前の2枚のポリゴンを削除しちゃいます。
耳と顔の接地面は滑らかに生えているように見えたので、この方法でやってみます。
結合した直後はかなり不安定な感じ。
顔を回しながら耳まわりがきれいになるまで調整。
参考資料では耳の裏の情報が無いので、ほかの方の3Dモデルとかを確認しながら進めていきました。
と言ったものの耳の裏は髪の毛に隠れてほとんどみえないので、ほどほどで良いと思います。
対称コピー&再確認して完成
最後に対称コピー&全体をもう一度確認して問題無いなら完成とします。
よ~し まとまるまで時間かかったけど何とかできた。
ポリゴン数は頭含めた状態だと354ポリゴン。
両耳だけだと142ポリで簡易耳だと112ポリだから30ポリの増量で済みました。
我ながらよくできたと思います。
ただ ふと思った。
“アニメ調のキャラ&ほとんど見えないならもう簡易耳にテクスチャを素直に貼った方が楽なのでは??"
そう・・・なんかモヤっとしました。
半分達成感と半分もやもやした気持ちがありますが、せっかく作ったのでこのまま進めます。
というわけで以上。
お疲れさまでした。
以下は過去記事。
おまけ
細分化した時の見た目
おまけとして細分化したものを載せてみました。
やっぱりY字部分(対耳輪脚)は細分化したとしても難しいことが分かりました。
調節を試みてみましたが思ったような形状にならないので、細かいディテールを施そうとしたらやっぱりZbrushのようなスカルプト専門ソフトでやった方が良さそう。
とはいえあの手のソフトは苦手なので練習が必要ですが・・・
ただなんやかんやでモデリングは楽しい。
以上おまけでした。
使用したツール
- ペイントツール:ClipStudio Paint Pro
- モデリングツール:LightWave 2020.0.3