今回は頭のモデリングに入ります
目や歯などを除いたものですね
頭の作り方には
- 球体から作る
- 面を貼って作る
- ボックスから作る
- スカルプトで作る
など複数の方法がありますが、これが結構迷います

じゃっく
できれば簡単で手短に作れる方法が良い
なるべく少ない手順で頭を作りたかったので、試作モデルをいくつか作ってみました
結果たどり着いたのが、ボックスを細分化してできるボールから作る方法です
これが自分の中ではもっともしっくりきました
良い感じにできたと思います
手順も少ないはず
せっかくなので、忘れないようメモっていきます
仕様
まずは頭を作るために簡単に仕様を考えます
四角ポリゴンだけで構成する
自分の中で感じていることですが、四角ポリゴンだけで構成するメリットはこんな感じです
- トポロジーがキレイ
- 編集や修正がしやすい
三角ポリゴンは意図的にしわやディテールを作ったり、関節周りでポリゴンを少なくしたりするのに適していると思います
ただ、今回の頭には不要と判断しました
後々使いまわしもすると思うので、基本四角ポリゴンで構成していきます
円形の最少角数は八角形にする
八角形が最も扱いやすくて形も作りやすかったので、目と首のような円形の最少角数は八角形でいきます
ただ、口は例外です
逆に少しポリゴンが足りなくて口っぽく見えなかったのです

じゃっく
思った形が作れなかった
なので、口だけは十角形でいきます
エッジが 5 本密集する所を少なくする
一つのポイントにエッジが複数あるものを「ポール」と呼ぶそうです
中でもエッジが 5 本密集しているポールの数は気にしています
なぜなら数が多いと調整しずらかったり、場所によってはシワができたりするからです

じゃっく
ちょっと悩ましい
一方で目立たない場所に移動したり、減らしたりすることはできるので、なるべく少なくなるように進めていきます
準備
下絵を用意

まずは下絵を用意します

じゃっく
こんな感じかな?
絵は少しかじった程度ですが、良い感じかなと思います
この下絵を元に頭を作っていくわけですが、自分自身に言い聞かせながら気を付けていることがあります
- 下絵は参考程度にすること
- ピッタリ合わせ過ぎないこと
- 平面ならではのウソに気付くこと
- たまに引いて全体を見るようにすること
- モデルをグルグル回して確認にすること
作業中忘れがちなので、保存などの区切りで実践するようにしています
手順
それでは頭を作っていきます
こちらが手順です
初めにボックスを細分化してできたボールを頭の形にします
頭の形にしたら分割を増やしつつ目や口を作って、最後に全体の調整を行って完成、といった流れです
ボールを用意する

ボックスを用意します
作るキャラクターは六等身で身長がだいたい 160cm くらいの女性キャラとしています
頭はだいたい 25cm くらいかなということで、ボックスは以下に設定しました
- 幅:250mm
- 高さ:250mm
- 奥行:250mm

「細分化」を起動して「メタフォーム」で分割を増やします
これを二回実行
すると、ボールができるので、これを頭の形を作っていきます
あとで気付いたのですが、細分化すると小さくなるので、もっとボックスを大きくしておけば良かったです

じゃっく
ちょっと小さかった
位置を調整する

正面から見て、まゆ・目・鼻の位置にエッジを合わせます
頭の輪郭も下絵に合わせて調整

じゃっく
だいたいで OK

底面のポリゴンは不要なので削除
ポイントを選択して真っ平にします

もう一度下絵に合わせて頭の形を整えます
ここでやったことは以下です
- 目と鼻の横位置を調整
- 後頭部をちょっと上にあげる
- 底面をアゴの角度に合わせる
目と口を作る

ここで分割を追加
目と口に分割を入れて、目のいらないポリゴンを削除します
ついでに軽く調整

さらに分割を入れます
ちょっと複雑ですが、画像のようにカット
いらない面とエッジを削除して、ポイントを引き出してぎゅんと縮めます

じゃっく
おちょぼ口なのだ
首周りを作る

アゴと言いますか底面のポイントを引き出して、首周りを作ります
引き出した直後は八角形じゃないので、カットと削除を繰り返して八角形の首元を作成

正しく分割調整できたか確認します

じゃっく
OK できた
別で作る円柱に結合する考えでいるので、大まかに調整
分割を増やす

さらに分割を追加
目・鼻・口・頭周辺にカットを入れます

5 ポールの位置が気になったので、変更するためにちょっと手を加えます
一旦画像のようにエッジを削除
新たにカットを加えます

すると、今度は 6 ポールが鼻の根元にできてしまいます
これはさすがにまずい
消すためにもう一度カットの追加と削除を行って 5 ポールへ変換

じゃっく
これで良し

ポールの数を数えたところ、 12 個と出ました
本当は 10 個くらいにしたかったのですが、技量不足で無理だったので今回はこのままいきます
頭全体の調整を行う

分割を終えたら、あとはひたすら調整
納得いく形になるまで進めます

じゃっく
各部位の位置とか頭の大きさや形とか
目と口はこんな感じにしました
- 目:目尻と目頭の奥行き幅を狭めに調整
- 口:少し下から見たときの形を ω っぽく調整

横からの形も調整します
- 目:少しだけ角度を付ける
- 口:E ラインに沿うように調整
- ほお:S の字を描くように調整
- ひたい:少しだけ Z 方向に出す
目についてですがしばらくの間、なぜ角度が少しついているのか気になっていました
そこで手元にあった美術解剖学を見てみましたが、恐らく骨格的にひたいが出ているからだと思います

じゃっく
違ってたらごめんなさい

最後に耳の付け根にあたる部分が隠れるように調整します
青色に塗っている場所ですね
実際に自分の耳の根元を触ってみると、アゴあたりで巻き込むような造形をしていたので、このようにしました
完成

こだわりすぎると調整地獄に入ってずっと終わらないので、キリが良いところで完成

じゃっく
できた
ローポリとハイポリのポリゴン数は、こんな感じになりました
- ローポリ:204
- ハイポリ:816
まとめ
それでは今回のまとめです
- 下絵は用意して参考程度にする
- エッジが 5 本密集する箇所は少なめにする
- ボックスを細分化してできたボールから作る
- 円形の最少角数は基本的には八角形にする
- 口は例外として十角形で形を出すようにする
今回は頭を少ない手順でボックスから作ってみました
頭の作り方は体と同じようにたくさんの作り方があるので、自分に合う方法を見つけるのに時間がかかりましたが、結果として良い作り方ができたかなと思います
作り初めの頃はあまりの造形力の無ささにバケモノが生成されたり、何度も何度も作り直したり散々でしたが・・・

じゃっく
おぞましくてヤバかったわ
ただ、何度も作り直していた副産物として、ちょっとずつ造形が良くなっていったのは嬉しかったです
これからも頑張ります
それでは、お疲れさまでした~
おまけ
ポールの位置調整でちょっと迷ったこと

左が今回採用したモノ、右が別案です
どちらも同じポリゴン数ですが、ポールの数が違います

じゃっく
画像右の方がポールが少ない
B 案の方が少ないポール数だったので、こっちにしようかなーなんて思っていましたが、目のポリゴンがループ選択できなくなっています
自分としては目はループ選択できるようなトポロジーであって欲しいので、今回は右側の案は採用しませんでした
もっと良いトポロジーができるように日々研究していきます
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