他のCGソフトを使っている方にはまったくよく分からない話かと思いますが、LightWave にはモデラーとレイアウトの構成で成り立っています

モデラーで「スケルゴン」と呼ばれる疑似的なボーンをいれて、レイアウトで「スケルゴン変換」という機能で本来のボーンに変換する工程があります

いつものように作業していると

じゃっく

モデラーにスケルゴン変換?なんじゃこりゃ??

と思ったわけです

実際に使ってみるとスカートや髪の毛など、曲面に沿ってボーンを作るには便利な機能であることが分かりました

ただ、制約とバグっぽいものもあったので、こちらもメモしていきます

スケルゴン変換とは

線ポリゴンをスケルゴンにするもの

まず、スケルゴン変換とはなんぞや?ということですが、これは線ポリゴンというポリゴンの仲間をスケルゴンに変換するものです

レイアウトにもスケルゴン変換がありますが別物です

じゃっく

同じようなものかと勘違いしていました

どんな場面で使えるか

曲面に沿ってボーンを入れたいとき

モデラーのスケルゴン変換は、曲面に沿ってボーンを入れたいときに使えそうです

使えそうな場面
  • 髪の毛にボーンを入れるとき
  • スカートにボーンを入れるとき

今まで手動で頑張っていましたが、もう少し楽にできそうですね

じゃっく

もう神経と無駄な時間を使わずに済みそうです

制約

使ってみて便利な機能だと思いましたが、制約がありました

左右対称には対応していない

まず、左右対称でボーンを一気に作ることができません

これ結構重要です

線ポリゴンを作るところまでは良いのですが、スケルゴン変換を実行すると・・・

なんと反対側が逆向きで配置されます

じゃっく

なんでだよっ!

なので、もしもう片方を作る場合は、先に名前も含めて片方を作ってから複製する必要があります

モデラーの場合
  • Skelegon Editor の鏡面機能を使う
  • 鏡面コピーと Rename Skelegons を使う
レイアウトの場合
  • 「階層鏡面」という機能で作る

じゃっく

Rename Skelegons に関しては ver2023 以上じゃないと機能がなかったような気がします

向きはポイントの選択順で決まる

スケルゴンの向きは、ポイントを選択した順番によって決まります

なので、正しい順番でポイントを選択しないと、おかしな方向を向いたスケルゴンが生成されてしまいます

手順

実際に曲面に沿わせて、ボーンを設置する手順はこんな感じです

モデラーでスケルゴンを作る

STEP1
ポイントを選択する

ボーンを入れたいオブジェクトのポイントを選択します

選択した順番で向きが決まるので、根元から順番にポイントを選択

STEP2
線ポリゴンを作る

ポイントが選択された状態で、線ポリゴンを作ります

ショートカットは P

STEP3
スケルゴン変換を実行する

ここでスケルゴン変換を実行します

場所はセットアップタブの中です

STEP4
いらない線ポリゴンを消す

不要になった線ポリゴンを削除

これで OK

・・・と言いたいところですが、少しバグを抱えているので回避します
※バグの詳細についてはこちらで説明します

STEP5
スケルゴンを切り取って貼り付ける

スケルゴンだけを選んで、一旦切り取ってもう一度貼り付け

これでバグの回避ができましたので保存します

レイアウトでボーンに変換する

STEP1
スケルゴン変換を実行する

保存したオブジェクトをレイアウトに読み込んで、オブジェクトを選択

スケルゴン変換を使って、スケルゴンをボーンに変換します

STEP2
回転軸を確認

ボーンの根元を右クリックして、繋がっているボーンが正常か確認

これで曲面に沿った状態のボーンができました

回転軸も面に沿っています

動画

流れを動画に収めてみた

ここまでの流れを動画にしてみました

周りを一気に作ることはできないですが、普通にスケルゴンを入れるよりかはマシですね

バグと回避方法

作業中にバグっぽいものがあったので、内容と回避方法を書き残します

親子関係が壊れる

もしスケルゴンとオブジェクトを分離せずに、レイアウトでボーンに変換すると何が起きるのか

・・・なんとボーンが赤い状態で表示されます

通常は青色のはずです

おまけにボーンの親子関係が壊れて、木っ端みじんになります

じゃっく

最初見たとき、ちょっと怖かったです

回避方法:ボーンを再貼り付けをする

変換した後を調べてみたところ、スケルゴンとオブジェクトのポイントが結合された状態でした

これがダメだったようです

スケルゴンとオブジェクトを別々にすれば問題を回避できました

回避方法
  • 一旦スケルゴンを切り取る
  • 同じレイヤーに貼り付ける

Skelegon Editor を通すと軸が変わる

Skelegon Editor を通すと、回転軸が強制的に変わってしまいます

何の設定もせず、OK にするだけで回転軸がおかしくなります

じゃっく

ゔぉいっ!どうなっとるんじゃ!

こちらについては、バンク角度をゼロにすれば直せることが分かりました

回避方法1:バンクの種類を変える

STEP1
Skelegon Editorを開く

一つ目の回避方法ですが、こちらは Skelegon Editor を使った方法です

先に変更を加えたいスケルゴンを選択して、 Skelegon Editor を起動

STEP2
バンク角度をゼロにする

バンクタブの中の「種類」という項目の中に、「各スケルゴンに対し編集」があるのでこちらに変更

角度を 0.0° にして OK を押します

じゃっく

ちなみに「バンク角度を使用しない」は、回転軸は合っていましたが、回転方向が違っていました

STEP3
レイアウトでボーンを確認

レイアウトに読み込んで Skelegon Reader でボーンへ変換

じゃっく

Skelegon Editor を使った場合は、Skelegon Reader じゃないと設定したバンクが反映されないことに注意

右クリックでボーンを全選択すると、軸が正しい方向に向いていることが確認できます

回避方法2:Rhiggit を使う

STEP1
レイアウトでスケルゴンを変換

もう一つの回避方法として Rhiggit ツールを使った方法があります

じゃっく

こちらは ver2024 以降じゃないとできないです

まずは普通にスケルゴンをボーンに変換します

もし Skelegon Editor でバンク角度を設定していない場合は、画像のようにおかしな状態になっているはずです

STEP2
リギングツールボックスを開く

変更を加えたいボーンを選択した状態で、Rhiggit ツールの「リギングツールボックス」を開きます

STEP3
バンクの角度をゼロにする

下の方にちょっと文字が見切れてますが、 Orient Hierarchy を選択

その中にある Bank as を zero にして実行します

STEP4
ボーンの固定位置を記録

すると、オブジェクトがぐっちゃぐちゃになります

じゃっく

初見だとビビりますね・・・w

このぐっちゃぐちゃな状態は、「ボーンの固定位置を記録」を実行すると直ります

ボーンを選択した状態で実行

ショートカットは R です

STEP5
ボーンを確認

ボーンを改めて確認します

大丈夫そうですね

これでボーンの回転軸も正しい状態になっていることが確認できました

まとめ

それでは今回のまとめ

スケルゴン変換は便利だった
  • バグや制約は予め理解しておく必要がある
  • 曲面に沿ってスケルゴン(ボーン)を設置するのが楽
  • レイアウトのスケルゴン変換とは別物

今回はモデラーに入っているスケルゴン変換を使ってみました

今まで目ん玉かっぴろげて手動でやってた作業が、この機能を使うことで少し楽になりそうです

じゃっく

レイアウトにもスケルゴン変換があって、ちょっとややこしいですが

それにしても Skelegon Editor もそうですが、なぜその他の中に?

ひとまず、これでお疲れ様です

使用したソフト

3DCG
  • LightWave3D
画像
  • CLIP STUDIO PAINT PRO
動画
  • Bandicam
  • ScreenToGif